JA土佐あき 農業支える「営農指導員」(平成27年6月28日付高知新聞朝刊掲載)

生産者と"二人三脚"で炭酸ガスでナスの収量増

JA土佐あき 農業支える「営農指導員」(平成27年6月28日付高知新聞朝刊掲載)

 各JAには、農業の経営や栽培技術の向上などをアドバイスし、地域と行政とのパイプ役となって地域農業の振興に努める「営農指導員」と呼ばれる職員がいる。ナスの栽培が盛んな「JA土佐あき」では、数年前からナスの収量を上げるために炭酸ガスを使った新しい施設園芸システムの導入に乗り出し、生産者と"二人三脚"で取り組みを進めている。

▼身近でサポート

▼身近でサポート

 JA土佐あき管内では、20人の営農指導員が地域や栽培作物ごとに担当を受け持ち、栽培や経営のフォローに当たる。新しい技術導入に当たっての勉強会開催、補助金活用のための助言や申請書類作成のサポート、確定申告のサポートのほか、最近では新規就農のUターンやIターンの人たちへの細かな指導も行っている。
 近年、コストの分析、作型の見直しなどを行って所得向上に導く、経営分析システムを活用した農業経営支援もスタートした。
 JA土佐あきの営農指導員、倉沢済志さん(39)は、営農指導員になって11年のベテラン。最初は何も分からない状態で配属され、日々生産者を訪ね、農業を一から教えてもらったという。
 「とにかく、皆さんの顔を覚えること、覚えてもらうこと」。何でも相談できる信頼関係づくりが仕事の基本となる。今では携帯電話がひっきりなしに鳴る、頼りにされる存在だ。

▼新技術で先進地へ

▼新技術で先進地へ

 高知県はナスの出荷量日本一を誇り、JA土佐あきはその約90%を占めている。環境保全型農業にいち早く取り組み、JAと生産者が一丸となって新しい技術を取り入れ、地域全体が成長・発展を遂げてきた産地だ。生産者と営農指導員が密接に関わり合い、協力し合ってきた実績がある。
 営農指導員がさまざまな情報を入手し、成果データを集め、生産者に試験栽培の協力を依頼する。日々、生産現場を訪れて情報を常に共有し、お互いの知恵と技術で成功に導く努力を重ねている。
 近年、「炭酸ガス発生装置」を使って冬場の収量を上げる技術が注目され、JA土佐あきでは3年前から県の安芸農業振興センターと協力して試験栽培を行い、普及に努めてきた。研究意欲の高い24戸の農家が集まって勉強会を行い、試験栽培で2割の収量アップの成果が得られたことから、今年新たに約50戸の農家が導入した。
 炭酸ガスによる新施設園芸システムとは、ビニールハウス内の二酸化炭素を増やして植物の光合成を促進させる方法。光合成には光と水と二酸化炭素が必要だが、光合成が活発化する昼間のビニールハウス内は二酸化炭素の量が減少し、外気が約400ppmなのに対して、約250ppmまで下がる。
 灯油を燃焼させて発生する二酸化炭素をハウス内に送って光合成を促進することにより成長を促す効果がある。全国的に出荷量が減少する冬場に威力を発揮し、市場価格が高い時期に収量を増加させることができるため、大きな収入増につながっている。
 このシステムは、ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素濃度などを測るハウス環境測定器と炭酸ガス発生装置がコンピューターによって連動して動き、ハウス内の環境を自動的に制御する。
 植物の光合成が活発になり二酸化炭素が減少すれば炭酸ガス発生装置が作動する。コンピューターが計測した情報は、生産者のスマートフォンにも届き、他の生産者や営農指導員とも情報共有することができる。
 ハウス内の状況が可視化されることで、これまで経験や勘に頼っていた環境管理が計測データに基づいてできるようになった。経験の浅い生産者にとっても収量の安定につながると期待されている。ハウス10禿たり50万〜60万円ほどの設備投資が必要になるが、収量アップにより回収が可能であり、天候による収量のばらつきが抑えられることから導入する生産者が増えている。

みどりの広場 | 高知県農業協同組合中央会

▼協力と信頼が鍵

 ナスを作り始めて28年になるという植野進さん(61)は、倉沢さんとは10年来の付き合いになる。ナス作りのベテランでも、農業が日々進歩する中で分からないことも多い。天候によって作柄が左右されることも多く、病気や害虫への対処、新しい肥料の使い方、不要な葉っぱを取る摘葉の時期など、倉沢さんに相談し力を借りることも多いという。
 「電話したらすぐ様子を見に来てくれて、分からんこともすっと調べてきてくれる」と、植野さん。「倉沢さんは頼りになる」と目を細める。
 過去には、天敵昆虫による害虫防除、マルハナバチを使った受粉にも積極的に取り組み、高知県やJAと共に新技術の開発を進めてきた。その後、輸入していた天敵昆虫の代わりに土着昆虫が活用できることが分かり、環境に影響を及ぼすマルハナバチについても日本のミツバチの使用に切り替えが進んできた。
 植野さんは常に"先やり"を務めてきた人。「新しいことを不安に思うよりも、まずやってみようと思う。いかんかったらやめたらえいがよ。うまくいったらみんなに広めて、みんなで成功していったら産地として成功する」
 植野さんは、いち早くこの炭酸ガスのシステムを導入し、試験栽培を行って収量2割増の成果を挙げた。「若い人たちの参考になれば」と自分のナス作りをすべて公開し、ハウスを見学に訪れる人も多い。
 「倉沢さんの指導あってこそ」「植野さんの技術あってこそ」と、お互い「一緒に成果をつくってきた」と言う。この固い信頼の絆が、ナスの産地をけん引する。

《直販所見〜つけた》 Yショップくれだ

《直販所見〜つけた》 Yショップくれだ

 昨年10月末に閉店した「Aコープくれだ」に代わり、便利に買い物ができる地域のコンビニとしてオープンした「Yショップくれだ」。Aコープ同様、JA南国市の購買課が直営するコンビニで、野菜や果物、卵などの生鮮品は直販所「かざぐるま市」から仕入れており、肉や魚、エーコープ商品も多彩に取りそろえている。木曜日には午前9時半から午後1時まで鮮魚の店頭販売を行っており、大勢の人が列をつくる。
 また6月から毎日店内でフライ、芋天、煮物などの総菜を作って販売するほか、花や野菜の種、家庭園芸用品、農作業関連商品などJAならではの商品も扱っており、地域に根付く個性豊かなコンビニだ。以前に比べて男性客や学生などの客層が広がったが、「日々の暮らしを支える主婦たちの利便性も大切にしたい」と、山本修平店長。「まだオープンして半年。常に状況を見ながら、品ぞろえの見直しやイベント企画などをやっていきたい」と話す。7月2日(木)には、JA南国市女性部久礼田支部の女性たちがフリーマーケーットを開催する。地元の人々の笑顔が集う、あったかいコンビニを目指している。

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 所在地  南国市久礼田416―1
 電話   088・862・2830
 営業時間 午前7時〜午後7時
 休み   1月1〜3日
 駐車場  約15台

みどりの広場 | 高知県農業協同組合中央会

《うちんくレシピ》 なすのゼリー

《うちんくレシピ》 なすのゼリー

【材料・4人分】
ナス…3本、水…2カップ、Aコープ・クールゼリーの素…1袋(※市販のゼリーの素でもよい)、リキュール(メロン等)…1/2カップ

【作り方】
“蕕鬚爐い織淵垢鬘機腺mm角に切り、水にさらしてあくを抜く。
鍋に適量の水を沸かし、,鬚罎任襦水にとって冷まし、よく絞る。
カップ2杯の水を沸かし、沸騰したらリキュールを入れ、一煮立ちさせて火を止め、ゼリーの素を入れてよくかき混ぜる。溶けたら△魏辰┐襦
し燭貌れて粗熱を取り、冷蔵庫で冷やし固める。(提供:JA土佐あき園芸女性部)

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