花卉栽培盛んな大方南部(平成29年4月23日掲載)

花卉栽培盛んな大方南部(平成29年4月23日掲載)

 高知県は野菜と同様に花の産地でもあり、地域ごとにさまざまな花が栽培されている。中でも、JA高知はた管内、幡多郡黒潮町の大方南部地区は、大型の花卉(かき)園芸団地がある産地で、その歴史は40年を超える。宿根カスミソウ、テッポウユリ、ダリアなど約20品目を栽培する大方南部の産地を訪ねた。

▼県内有数の産地

▼県内有数の産地

 幡多郡黒潮町の土佐西南大規模公園から海岸線沿いを西へ進んだ辺りが、花卉栽培が盛んな大方南部地区。海に山が迫る地形で、古くは漁業の町であり、畜産が栄えた時代もあった。大きな川がないため水が乏しく、田畑で作物を作ることは難しい土地である。

 40年ほど前、水が少なくても育てられる花卉栽培の取り組みが始まった。山を造成してビニールハウスが立ち並ぶ園芸団地が造られ、県内有数の花卉産地へと育っていった。

 出荷がピークを迎えたのは20年ほど前のこと。主力商品は宿根カスミソウ、ユリ、ガーベラで、生産量は金額にして7億〜8億円だったという。その他の品目も豊富で、愛知や大阪の花市場からは「大方南部に頼めば何でもある」という、大量の注文にも応えられる優良産地として高い評価を得ていた。

 しかし、バブルが崩壊し景気が後退すると、花卉の需要は激減。「10年前はとても厳しい状況だった」と、JA高知はた幡東ブロック営農センター主任の吉尾健太郎さん(40)は語る。

 市場の様相も変わり、かつては「競りが約7割、後の3割は前売り(注文による個別販売)」で取引されたが、今はその割合が逆転したという。以前は、売り手市場で売れ筋の花と生産者が売りたい花を組み合わせて売ることができたが、今は品質優先の商売になった。

 産地にこだわらず、買い手のイメージに合う品種、色、形の物が、競りを通さず高値で売れる。買い手が欲しがる商品を重点的に作り、供給することが求められている。

▼新たな取り組み

▼新たな取り組み

 大方南部は、この10年で品目の転換、品質の向上などを模索し、立て直しを図ってきた。人気が下火になったガーベラに替えて、ダリアの栽培を始めた。黒っぽい赤色の花が咲く「コクチョウ」という品種がブームの火付け役となり、婚礼シーンを中心に需要が高まっている。さまざまな種類があり、大方南部では50品種以上が作付けされているという。

 ダリアは水あげに時間がかかるため、朝の2、3時から収穫をする。4時間かけて水あげし、選別・梱包(こんぽう)して出荷する。連作により収量が減ったり、種類によっては土地と相性が悪かったり、毎年試行錯誤をしながらの栽培だ。

 宿根カスミソウは一時期需要が低迷したが、品種改良などによりにおいが抑えられ、大きな花弁で見栄えが良く、花持ちも良い品種に改良され、近年は冠婚葬祭で人気を博している。古くから宿根カスミソウを作ってきたベテラン農家にとってはうれしいリバイバルとなった。

 りんとした立ち姿が美しいテッポウユリは、葬儀のシーンに欠かせない花として需要を保ってきた。テッポウユリの生産は全国的に減少傾向にあり、安定供給できる主要産地としての役割は大きい。

 また、山で自生する七立(ななだて)栗に着目し、秋の到来を告げる花卉として関東にも出荷している。小さな栗のイガが連続して付き、花とイガが同時に見られる珍しい栗は、料亭などで需要がある。接ぎ木をして増やし、馬荷地区の新しい特産花卉となっている。

▼認知度向上へ

▼認知度向上へ

 高齢化による離農や野菜への転作で、生産者はピーク時の半数以下になった。しかし、日照時間が長く、穏やかな気候に恵まれている好適地で、各農家の栽培技術も高い。UターンやIターンなど新規就農者もおり、大方南部の花卉栽培を継いでいる。

 家族で大阪から移住してきた新田剛さん(43)は、テッポウユリやLAユリを手掛ける栽培農家。今年で5年目となり、日々のしんどさもあるが、やりがいも見えてきたという。栽培農家の減少に「せっかくの産地なのに、縮小していくのはもったいない」と話す。今後さらに品質の良いユリを作るために、土佐市や須崎市などのユリ農家と交流し、栽培技術を学んでいる。

 JA高知はたでは、主要品目の栽培と併せて、省力・省コストで栽培できる品目を選定し、推進や営農指導に当たる。

 現在、JAは高知県や高知県園芸連と連携して高知県産花卉の魅力を伝え、認知度アップを図る取り組みに力を入れている。空港や駅などで観光客を迎える「ウェルカムフラワー」、高知市中心街での展示会「おまちde花さんぽ」、今年1月には「花いけバトルin高知」を開催し、県内外から大勢の客が詰め掛けた。

 吉尾主任は、「これまでも県内外の多くのイベントに参加してきたが、今後も皆さんに大方南部の花を知っていただくとともに、生産者が消費者の声を聞き、より一層の励みになるよう積極的に参加したい」と話している。

《直販所見〜つけた》馬路村農協アンテナ店 umaji

《直販所見〜つけた》馬路村農協アンテナ店 umaji

 先月、オープン1周年を迎えた馬路村農協アンテナ店「umaji」。「ごっくん馬路村」をはじめとするオリジナル商品がずらりと並ぶ、まさに“馬路ワールド”。アイテム数は40点ほどで、取扱店が少ないだけに、中には初めて目にする商品にも出合える。独自に開発したユズの成分を生かした化粧品も全アイテムがそろっており、使用感を試してから購入できると好評だ。
 ドリンクやポン酢など、県外の人にも人気が高い馬路村製品は、ギフトにも最適。店内商品を選んで詰め合わせ、オリジナルギフトを作ることができ、発送も可能で、引き出物などまとまった数にも対応できる。これからの季節、一押しは馬路村温泉とここだけで販売している「ごっくんソフト」。「ごっくん馬路村」の爽やかな風味と酸味がそのままのソフトクリームだ。甘過ぎず、さっぱりとしたおいしさは、子どもから大人まで幅広い年代に愛されているという。  ゴールデンウイークはイベントを開催し、馬路村の魅力をアピールする。

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