「土佐茶」消費拡大を(平成29年6月25日掲載)

 高知県内で取れた茶葉を100%使用したお茶「土佐茶」。甘味やうま味に富んでおり、他県産をしのぐ優れた茶だが、県民にはなじみが薄く、関心も低い。衰退する中山間の茶業と茶畑の風景を守るため、土佐茶への理解を深め県内消費を伸ばそうと、JAグループ高知と経済団体が一体となって進める取り組みがスタートした。2016年に発足したばかりの「土佐茶プロジェクト」を取材した。

▼産地を守るために

▼産地を守るために

 もともと高知県は茶の生育に適した地質に恵まれ、「山茶」が自生する地。茶畑の多くは川を挟む急峻(きゅうしゅん)な山の斜面にあり、日陰の時間が長い上に霧が発生しやすいことから、香り高くうま味に富んだ高品質な茶ができる。
 しかし、茶業を担う人々の高齢化が進み、産地は縮小傾向にある。良質な茶を継承し、美しい茶畑のある風景を残すためには、茶業農家の収入を向上させて若い担い手を増やし、産地を活性化することが急務となっている。
 今後、茶の消費を拡大するとともに茶葉の単価を上げていこうと、JAグループ高知が中心となり、県商工会議所連合会や県商工会連合会、県経営者協会など県内の経済団体と、茶の専門家らが参加する「土佐茶プロジェクト」が16年7月に発足した。

▼「なじみが薄い」

▼「なじみが薄い」

 茶は、摘み取ったばかりの生葉を蒸熱・乾燥し「荒茶」と呼ばれる原料用の茶に加工する。それをさらに乾燥し、ブレンドするなどして味を調えて仕上げ、製品にする。1985年には千トンあった高知県の荒茶の生産量は、現在221トンになっており、その半分はブレンド用として県外の茶市場や茶商に出荷されている。特に、新芽の柔らかな部分を使った上級茶葉のほとんどは県外に流出するという。
 その理由を、JA全農こうち農畜産部の池田裕明次長は「高知県は古くから番茶を愛飲する食文化であり、煎茶にはなじみが薄いから」と分析する。県民1人あたりの茶(この場合の「茶」は煎茶を指す)の消費量は「全国最下位」というデータ(15年)もあり、高級茶を飲む機会や習慣がないことを示している。
 土佐茶プロジェクトは、そのような県産茶の現状を知るところからスタートし、3年計画で進められている。初年度はメンバーたちが土佐茶の現状を認識するための会議や産地視察、ポスターやパンフレット、ホームページなどPR素材の制作を行った。

▼2チームで活動

▼2チームで活動

 現代では手軽なペットボトル茶が日常茶として多飲され、一見、茶の消費が拡大しているかのように見える。しかし、原料に使用するのは低価格の茶葉で、生産者の収入確保につなげるためには大幅な量の拡大が求められる。
 一方で急須を持たない家庭も増えており、煎茶を飲む機会は激減している。「茶を入れて飲む」文化を普及し、根付かせる必要がある。
 土佐茶プロジェクトはその二つを同時に狙い、日常的な土佐茶の消費を伸ばすための「土佐茶の使用推進チーム」と、高級茶の市場を創出する「土佐茶の文化を広めるチーム」に分かれて、具体的な活動が始まっている。
 使用推進チームは県内企業や組織を訪問し、社員食堂や接客用の茶、ホテルや旅館の部屋用茶、会議用のペットボトル茶などを土佐茶に切り替えるよう働き掛けを行っている。JAグループ高知でも敷地内の自動販売機ではペットボトルの土佐茶を販売するよう取り組みを進めている。
 6月9日には、高知市五台山のJA全農こうちで第2回の「土佐茶の文化を広めるチーム会議」が開かれ、メンバーが土佐茶のおいしい入れ方を学んだ。
 日本茶インストラクターの指導で、いったん湯飲みに注ぎ約80度まで冷ましたお湯で入れた茶は、甘味がありうま味が広がる。さらに、隣の人が入れた茶と交換して飲むことで、茶葉の量、抽出時間などわずかな差で味に違いが出ることを体感した。また、県外産の深蒸し茶の試飲では「(深蒸し茶の特徴である)渋味が強い」などの声が上がり、土佐茶のおいしさを再認識した。
 取り組みは多方面に広がり、6月下旬には「土佐茶カクテル」のレシピが発表され、メンバーが試飲を行う予定だ。今後は高知学園短大とも連携し、産官学での取り組みが進むという。
 テレビコマーシャルも流れ始め、尾正直知事も画面を通してこう呼び掛けている。
 「こんなにおいしいのに! 飲まずにいるのはもったいない!」

《直販所見〜つけた》 琴ケ浜かっぱ市

《直販所見〜つけた》 琴ケ浜かっぱ市

 2001年にオープンした、「琴ケ浜かっぱ市」。安芸郡芸西村の特産品を一堂に集め、県東部の人気の直販所としてにぎわっている。
 芸西村は花卉(かき)園芸が盛んで、ブルースターやダリア、トルコギキョウなど、色とりどりに季節の花があふれ、安価な花を目当てにやってくる客も多いという。
 広い店内には特産の新鮮なナス、キュウリを中心に季節の野菜や果物が並び、高知や室戸から近海物の鮮魚がやってくる。手結漁港に魚が揚がった日は、午前10時ごろに取れたばかりの“ピチピチ”も届くという。総菜も充実しており、地元仕出し店の寿司(すし)を楽しみに来る人も多い。また、店内のキッチンでは、日替わりで地元の“うまいもの”を販売。金曜の「みっちゃんのケーキ」、日曜に30個のみ販売しているピーマン味噌(みそ)を使った「かっぱバーガー」は売り切れ必至の人気商品だ。
 芸西村ならではのおいしいものを買って、海を見ながら食べるのもお勧め。
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 所在地  安芸郡芸西村和食甲452の1
 電話   0887・33・2990
 売場面積 255平方メートル(農産物販売)
 営業時間 午前8時〜午後4時
 休み   12月31日〜1月4日
 駐車場  約30台

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