JA全国女性協 川井由紀会長に聞く 地域活性化担う女性組織(平成30年8月26日掲載)

JAグループ高知では、自己改革の基本目標の一つ「地域の活性化」の達成に向けてさまざまな活動を行っている。中でも、地域の女性らで構成される「JA女性組織」は、生活文化活動をはじめ、食農教育や高齢者福祉活動、地域の環境保全や美化などに積極的に取り組んでいる。JA高知女性組織協議会会長であり、2017(平成29)年からJA全国女性組織協議会会長も務める川井由紀さんに話を聞いた。

▼女性の地位向上

▼女性の地位向上

 ――JA女性組織の成り立ち、目的について教えてください。

 川井 かつて女性は単なる農家の労働力として扱われ、低い地位に甘んじていた時代がありました。戦後、農協法によって「農業協同組合」が全国各地に誕生しましたがまもなく経営不振に陥り、女性たちの力を結集して乗り越えるため、1948(昭和23)年ごろ農協婦人部が各地に発足しました。

 女性たちは生活必需品の共同購入により資金を捻出しました。同時に、台所の改善、集団検診などにより生活環境を改善し、女性の地位向上を目指して活動するようになりました。農産物を自給して生活を支え、やがてそれが良心市や直販所での販売につながり、料理教室の開催や加工品の製造・販売も展開しました。

 ――戦後すぐからの活動なんですね。

 川井 1995(平成7)年にJA女性組織へと名称を変更し、現在は全国で約57万人の会員がいます。Aコープオリジナルの「ほめられ酢」の商品開発、米の消費を拡大するための「ニコ・ニコおむすび大作戦」の実施など、全国各地で女性たちが大いに活躍しています。

▼「旬の食材」活用

 ――高知県内では、どのような活動を行っていますか?

 川井 県内の15JAのうち14JAに「女性部」があり、このうち11JAの女性部がJA高知女性組織協議会に加盟しており6455人の部員がいます。「食」と「農」を基軸にした活動を中心に、非常に幅広く活動しています。旬の食材をおいしく食べるために、昔ながらの料理を伝承するとともに、さまざまな新しいレシピを開発し、食のイベントで力作を披露しています。JA高知市の「一日だけ農家レストラン」、JA四万十の「ときめきビアホール」、JA南国市の「南国のおきゃく」など地域でのイベントも盛んで、どこも素晴らしい料理が並びます。

 また、「JAふるさと感謝祭」では、各JAの女性部自慢の加工品や料理が登場し、大勢のお客さまに楽しんでいただいています。おととしには、女性部のレシピをまとめた「うちでごはん」をJA高知女性組織協議会で出版し、ご好評いただいています。

▼地域・時代に合う

▼地域・時代に合う

――その他、地域や時代に合った活動をされているようですが。

 川井 高齢化が進む地域では、高齢者の見守り活動やミニデイサービスを行っているところもたくさんあります。JA南国市女性部大篠支部では、今年から月に1回「子ども食堂」を開いており、JA女性部が単独で主宰するのは全国でも初の試みです。

 また、JA土佐れいほくでは、女性たちを守る「高知県女性相談支援センター」への食材提供を年に1回行っています。最初は段ボール箱1個分から始まり、今では車1台分の物資が集まります。

 ――防災活動にも取り組んでいらっしゃるそうですね。

 川井 3年ほど前から防災学習に一段と力を入れています。大雨、暴風雨、地震、津波、雪や寒波など、自然がもたらす被害はさまざまです。いつどこで災害に遭うか分かりませんが、「これを知っていればなんとかなる!」という気持ちが大事で、それが助け合いの大きな力になります。

 例えば、新聞スリッパを作る、ポリ袋でご飯やおかずを煮炊きする、いろいろな鍋でご飯を炊いてみる、段ボールでトイレを作るなど、実際に体験しておくことがいざというときに役立ちます。先日は、避難所で支給される毛布を、ひも1本でガウンのように着用する方法を学びました。両手が使えるようになるので作業性が増します。

▼「農業の応援団」を

▼「農業の応援団」を

――今後の活動について教えてください。

 川井 前身の「全国農協婦人団体連絡協議会」が結成されたのが1951(昭和26)年で、3年後には70周年を迎える歴史ある組織です。脈々と続いてきた活動をさらに充実させつつ、次の世代に引き継いでいかなくてはなりません。

 45歳以下の若い世代には、「フレッシュミズ」という組織があります。先日、県内6JAが合同で「かかしづくり」を行い、25人の若い女性が参加してくれました。ぜひ若い人たちに活動が広がり、地域参画が増えることを願っています。

 また、JA高知女性組織協議会では、「生涯現役+1(プラスワン)」運動を進めています。何歳になっても、学び合いながら楽しく活動するとともに、一人でも多くの人に女性組織の活動を伝え、仲間を増やしていこうというものです。地域のつながりが薄れている今、とても大事な使命だと思っています。

 農業を営んでいる正組合員、非農家の准組合員のほか、組合員でなくても女性部に入ることができます。若い人はもちろん、仕事を離れてリタイアした人や地域に新しく仲間入りした人など、ぜひ女性組織に入って一緒に活動してほしいですね。

 ――最後に、女性組織への思いをお聞かせください。

 川井 人が生きていくための食を賄う農業、国土を守り環境を守るための農業は不可欠です。皆さんといろいろな活動をしてきましたが、人の暮らしを守り、地域を支えるためにも「本物の農業」を伝えていきたいと思います。女性部の活動を通じて、「農業の応援団」をつくっていけたらいいなと考えています。

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 かわい・ゆき 土佐郡土佐町生まれ。2003(平成15)年からJA土佐れいほく女性部長、13(同25)年からJA高知女性組織協議会会長。

《農Fresh,農Life 農を支える若人たち》 No.2  高知市 西森茂人さん(32)  就農 4年目

《農Fresh,農Life 農を支える若人たち》 No.2  高知市 西森茂人さん(32)  就農 4年目

 西森茂人さん(32)は大学を卒業後、徳島県内の企業に就職。いずれは高知に帰って家業を継ぐつもりだったが、結婚して子どもができたのを機に「これで身を立てる」と覚悟を決め28歳でUターンした。

 両親が高知市仁井田でグロリオサを作り始めたのは1990年のこと。産地が一体となって試行錯誤して開発した品種「ミサトレッド」は2002年、「インターナショナルフラワートレードショー」でグランプリを受賞した。その両親から栽培技術を受け継ぎ、就農4年目となる西森さんの目標は「もっとグロリオサの認知度を上げる」こと。県産グロリオサの全国シェアは70%を占め、業界では「高知の花」として有名だが、一般の高知県民にはあまり知られていない上、外国産と勘違いされることも多くPRの必要性を痛感しているそうだ。

 グロリオサは「燃え立つ炎を思わせるフォルム」と「情熱的な赤色」が特徴。「この“南国情緒”が高知らしい花。ぜひ観光地にも飾ってほしい」と話す。また、花言葉は「栄光」で、高知龍馬マラソン優勝者の花冠にも使用されている。今後、西森さんはさらなる品種改良や作付け面積の拡大など成長を目指している。(情報提供=JA高知市)

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